Doctor's Column ドクターズコラム

ISSUE 31アクティブエイジングとダンディズム

  • 公開日:2015年3月23日

 人はおしゃれを忘れてしまったときから、老化が進んでいくといっても言い過ぎではない。ふるまいや服装、皮膚の色などの見かけで、その人の内面的な身体の健康や心の内まで見えてしまうように、私は思う。

 先日、興味深いTV番組を見た。アフリカ・コンゴ共和国、この国は現在のISの悲劇ほどではないにせよ、それに近い戦火に見舞われた国でもある。かつて、この国の“サプール”と呼ばれたダンディな男たちが、フランス語を使い、おしゃれの基本である“身にまとう服”に世界一お金をかけたといわれるが、興味深い話ではないか。
サプールたちの美学、いつもきれいに着飾り、人前でエレガントなふるまいを競うパフォーマンスが、地元の人たちの“誇り”になっていたというのである。

 1人の黒人青年が、仕事もせず喧嘩に明け暮れていたが、先輩に憧れてサプールになり、人が変わったという。外見を良くすることは、内面の成長にも繋がるということなのか。「たかが服、されど服」である。男たちの生活様式、教養などへのこだわりや気どりは、人を魅力的にすることであり、周囲の人たちから認められ、さらに後輩へと伝え、社会を和ませ、そこから生きる理想や希望が生まれ、平和を願う人になるであろうことを想像させる。
つい医者の視点で見てしまうが、彼らの行動は、細胞レベルで考えると、間違いなく細胞が元気になり、元気の素であるエンドルフィンというホルモンが活性化しているのが、手にとるようにわかる。そして、他者に対して優しさを忘れていないのだ。

 アクティブエイジングの基本として、内面も外見も人を魅了し、生きる意欲を失わず、より生産的なライフスタイルにこだわり、自分でできる何かを還元する生き方が必要だと思う。セカンドライフの楽しみ方は、大島清先生の言葉を借りれば“か、き、く、け、こ”(感動、興味、工夫、健康、恋)を忘れてはいけない。

 2025年になると、日本は4人に1人が75歳以上を迎える。若い人も他人事ではない。今からその対策あり? なし? どちらともいえないなら、男も女も「身体のおしゃれ、心のおしゃれ」を。21世紀の日本で、19世紀初めにイギリスで流行った“ダンディ”な若年寄りが増えるのも、また面白い。
【会報誌 ENVIRON No.61】

戸澤 明子

株式会社プロティア・ジャパン 取締役会長/学校法人 日本医科大学 元評議委員/医師

いち早くアレルギー治療に関心を持ち、アレルギー外来を設置。多くのアレルギー疾患の臨床経験を持つ。現在は株式会社プロティア・ジャパンの代表として、医師の経験を活かし、 正しいスキンケアの普及活動に全力で取り組んでいる。
著書に 「50歳から輝く人、30歳で老ける人」(幻冬舎)がある。

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