Doctor's Column ドクターズコラム

ISSUE 27“普通の幸せ”を得られない人が増えていませんか?

  • 公開日:2013年6月14日

「あなたは幸せですか?」といきなり聞かれて「ハイ幸せです」と答えられる人がどれだけいるだろうか。「あなたは?」と聞かれたら、「うっううう~ん」。詰まったような、詰まってないような応答になりそう。なぜ?最近、国会議員の片山さつきさんの本を読む機会があった。『正直者にやる気をなくさせる!? 福祉依存のインモラル』という本。媚を売らない正直なお人柄が出ている。“保護”という思想が、戦後の日本人と日本社会をダメにしてきた、と。私も「あたり~」と言いたくなる。日本が21世紀に生き残る道は、生活保護政策の見直しから始まる、と片山さんは確信している。言いきっているところが、さすが大蔵官僚出身の政治家だ。3・11東日本大震災の後、一部復活はあるにせよ、以前の環境に比較したら、すべての面で劣化してしまったのは事実である。最大の問題は健康被害で、死亡率、発病者の増加が著しいが、健康な体あってこそ幸せへの期待ももてる。いかに健康な体を維持することが重大であり、人生を大きく左右するのか思い知らされる。ところが、最近国レベルで初めてメタボリックシンドロームについて調査を行った結果、およそ600万人いるメタボ患者に最大で2兆円の医療費がかかっていると報じられた。それだけではない。ロコモティブシンドロームは40代から発症して増加の一途だ。何が最大の理由なのか。

1998年、スぺースシャトル“ディスカバリー号”のミッションでは、重力と老化について色々な実験をしたと、向井千秋さんは語っている。その結果、「重力抜きには、私たちの生活は何1つ語ることができないことを知るべきです」と。さらにNASAでは、無重力化した宇宙飛行によって生じた体の生理的変化と老化の過程が、とてもよく似ているという点で見解が一致した。「老化を避けて通ることのできない私たちは、食のバランスはもちろん、重力を活用したエクササイズを行うことによって、若さと健康を保ちながら、人に頼ることなく生きていけるのです」と、核心をついたメッセージがあった。国の施策の根源に、科学的に実証された宇宙飛行士たちのメッセージを無視してはならないと認識すべきではないのか。そこに人生を変えてしまうほど素晴らしいものがあっても、認識が無ければただのゴミのようになってしまう。生活保護の足切り政策と同時に実行すべきは、介護老人をこれ以上増やさない施策による、元気で自立できる老化対策が先決ではないのか。最も多い福祉依存の兆候は、まず健康な体を失い、働く力を失い、経済的力を発揮できなくなる。「歳だから、体の具合が悪いのは当たり前」と、体を動かすことを止めてしまう。重力の言いなりだ。

ちなみに、私は既に後期高齢者である。70歳過ぎて早々、『宇宙飛行士は早く老ける?重力と老化の意外な関係』ジョーン・ヴァーニカス著、向井千秋監修(朝日新聞出版)に出会った。幸いなことに“エンビロン・スキンケアシステム”のビジネスに関わり、皮膚の老化の最先端の情報をゲットできていたので、読後の私は健康な体づくりへの“時間”“物”への投資傾向が大きな変革を起こした。車で言うなら、どんな高級車でも定期的メンテナンスが必要なのと同じように、人の体こそ、バランスのとれた毎日の運動療法、食のケアを欠かすことはできないと。重力に逆らうバランス運動を毎日続けた結果、この7年間病気知らずになった。私に示唆をくれたこの本は、すべての人に読んでほしい1冊だ。

ここでどうしても言いたい!加齢とともに「面倒くさい」と、人に会うことすら拒絶的になり、体を動 かさなくなる。引きこもり現象に陥っている若者の大多数は、間違いなく年齢に相応した運動をしていないのが現状だ。体を動かさない生活を続けると、萎えて、老けて、錆びる科学的根拠は明らかになった。もう一度“老化やそれに伴う疾患と重力”の関係を考える必要に迫られている。そこで「パワープレートをお試しください」と何度でも言いたい。これが私の“本音”であり、この啓蒙は、未来に向けてプラスになると確信している。

【会報誌 ENVIRON No.57】

戸澤 明子

株式会社プロティア・ジャパン 取締役会長/学校法人 日本医科大学 元評議委員/医師

いち早くアレルギー治療に関心を持ち、アレルギー外来を設置。多くのアレルギー疾患の臨床経験を持つ。現在は株式会社プロティア・ジャパンの代表として、医師の経験を活かし、 正しいスキンケアの普及活動に全力で取り組んでいる。
著書に 「50歳から輝く人、30歳で老ける人」(幻冬舎)がある。

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