Doctor's Column ドクターズコラム

ISSUE 24この頃の“やりきれなさ”はどこから?

  • 公開日:2012年12月26日

たぶん、今日この頃“やりきれなさ”をなんとなく感じている日本国民は増えている。政治、経済事情が混沌とし何故か先に進まない、それとも進められない無能さ、リーダーシップの欠落に問題があるのか、毎日のように流れるニュースで流れる悲観的な話。昨年の3.11東日本大地震の発生による余波は大きく、“耐えられない”日常を過ごしている人が多くなってきている。

私が、エンビロンに出会って約20年。スキンケアはとても重要だと感じていたのは自分の肌を見ての結論だった。高級と言われる商品を使っても、薄くならない〝シミ“”乾燥性の強い肌“に自信を失い始め、やりきれなさの心情に溢れていたころエンビロンに出会うことになる。エンビロンを愛してやまない消費者の皆さんは、私がここから何を書きたいのか既にわかっていただけそうだから、これ以上エンビロンに感謝する気持ちは書かないことにする。

本格的にエンビロンに関わるようになって、足かけ12年目を迎えようとしている。

エンビロンを使ってスキンケアをさまざまな皮膚のダメージに試していた数年間、最も多かったのは、アトピー性皮膚炎で皮膚科に通院してきた人たちだった。患者さんの個人的な事情よりも医師への不満は、私をやりきれない心境に落とし込んだ。その頃(昭和50年代)アレルゲンの研究に積極的だった製薬会社が都内で一般の先生の〝アレルギー20人懇話会“を発足させた。当時私は、アレルギー療法の一つ減感作療法をやっていたが、この方法もなかなか結果が出ず、イラついていた時期でもあり何かが見つかるかもと期待もして参加させてもらった。

やりきれなさを抱えていた私は、世田谷で開業なさっている若い先生との会話が弾んだ。「耳鼻科の先生は耳が痛いと言えば、耳の診察はするけれど咽や鼻の治療は良い加減なところがありませんか?」私も負けてはいない。「小児科の中耳炎の発症はほとんど感冒からの二次感染です。悪化させるときは聴診器だけしか使わない小児科医が結構いるのかも。」「いや~僕はいっそのこと、鼻の治療用機器で吸引してやろうかと思うんです。」

わあ!「良いこと言うわ~」。これで耳鼻科は商売あがったり!。でも妙に私のやりきれなさが薄まっていることに気付いた。患者を守るためには正しいのでは?

子供の中耳炎の慢性化は、聴力障害など生涯通してリスクが高くなるのだ。

エンビロンに関わって以来、アトピー性皮膚炎の患者さんとの思い出は、いくつものドラマがあった。減感作療法なんて限界だったのに、真面目に通院してくる患者さんに、「これで私の治療は限界です」と言うことのつらさは忘れられない。「先生私たちはこれ以上肌はきれいになることはないんですか?皮膚科に行っても薬づけです」。
医者としての“やりきれなさ”はもちろん、私のような医者には過大なストレスとなった。

だが、その後まもなく、この私にやる気を起こさせたペーパーがある。

当時東北大学の皮膚科教授だった田上八朗先生と化粧品協会のトップとの座談会の内容を読むと、アトピー性皮膚炎などは、薬剤のほかに、化粧品、医薬部外品を併用してもよいというようなニュアンスだったのだ。
それがきかっけで、アトピー性皮膚炎で何年も苦しんでいた患者さんにエンビロンを併用し、アトピー性皮膚炎の改善後も、美容用として多くの患者さん達は使われ、限りない感動をゲットすることになった。その後さまざまな先生方との交流がはじまり、学会で発表され、論文になったものもある。エンビロン・スキンケアシステムに理解を示すドクタ―、特に女医さんが出てきたことは、朗報以外の何物でもない。

元患者が結婚し、ベビーを見せたいと福岡から訪ねて来てくれた時の再会のうれしさはあっても、未だ私の“やりきれなさ”が強い。まだまだ美しい肌をゲットできずに苦しんでいる人たちが多いからです。
でもここにきて、新しい皮膚科学会のニュースに救われている。現在、日本のアレルギー学会のガイドラインの改定の中で、スキンケアの重要性を見直す動きがあると言うことは、肌の再生の最先端の科学的施策になるに違いない。
患者さんの幸福を答えとするならば、当然の進化であるように思えてならない。

シンプルに考えてみると、“アトピー性皮膚炎の患者さんも同じ人、人、人、幸せになりたい人なんです”ということではないだろうか。

【会報誌 ENVIRON No.54】

戸澤 明子

株式会社プロティア・ジャパン 取締役会長/学校法人 日本医科大学 元評議委員/医師

いち早くアレルギー治療に関心を持ち、アレルギー外来を設置。多くのアレルギー疾患の臨床経験を持つ。現在は株式会社プロティア・ジャパンの代表として、医師の経験を活かし、 正しいスキンケアの普及活動に全力で取り組んでいる。
著書に 「50歳から輝く人、30歳で老ける人」(幻冬舎)がある。

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